実家の片付け、特に遺品整理は、身近な人を失ってすぐにやらなくてはならないうえ、作業量もかなりおおく、大きな負担がかかります。
体力的、時間的にきつく、遺品整理業者を利用することも考えるケースもあると思います。しかし遺品整理業者への依頼に料金がいくらかかるのか相場がわからない。形見や想い出の品を勝手に捨てられたらどうしよう。また貴重品を盗られるのではないか、など不安に思うこともたくさんあります。
このサイトでは、遺品整理や実家の片付けをする際に、まず何をすればいいのか。どんな手順で行えばいいのか。さらに遺品整理の費用も労力も極力おさえるために気をつけることなどをお伝えしていきます。
このサイト遺品整理マニュアルの基本的な考え方
遺品整理の仕方には個々のやり方があり、唯一の正解はありませんが、このサイトでは以下の点を基本として考えていきます。
・売れる物は売る
・捨てるものはなるべく費用がかからない方法で捨てる
・想い出の品は残す
・遺品整理業者への依頼は最後
・持ち家の場合は、空き家のまま放置しない(人が住めるレベルにする)
このサイトは上記の考え方に合う方に向けて作られています。
とにかく労力をかけるのが嫌で、コストはかかっても最初から遺品整理業者に丸投げしたいという方には、このサイトは向きません。遺品整理業者の紹介もするつもりですので、そちらへ依頼をお願いします。
しかし、業者に頼むにしても、できるだけものを減らし、整理された状態で頼んだほうが安くなります。
とはいえ、仕事が忙しかったり、協力者がいなかったりするケースも多くあります。その場合、最初から遺品整理業者に相談するのも手です。
遺品整理業者の一つ、プログレスでは、遺品整理士の資格を持つスタッフが、まず相談と無料見積もりから行っています。「何をしたらいいかわからない」「人手が足りない」などの基本的な相談でもOKです。
基本料金にすべて込みの明瞭価格に、買取品があればその分支払いを減らしてくれます。サイトから簡単に無料見積もり申し込みができるので、相場を知る意味でも、一度問い合わせてみることをおすすめします。
遺品整理の基本的な手順
遺品整理の基本的な流れとして、一次整理と二次整理に分けて行います。
遺品の一次整理
できれば親族が集まって片付けます。
集まることが難しい場合でも、必ず親族全員に遺品整理をすることを連絡します。「勝手にされた」などといってモメることが多いためです。時間をさいて必死に作業したのに、文句を言われるのではたまりませんから。
ここでの整理の基本は「残す」「保留」「売る・捨てる」です。
それぞれに箱を作って管理します。「売る・捨てる」を最初から「売る」と「捨てる」にわけてもいいと思います。片付けをしている最中に売れるか調べていると、時間がかかって仕方がないので、「売る・捨てる」とまとめておいて、あとで売れるものを調べていきます。
「保留」するものとしては、親族などに確認が必要なものや、売ったり捨てたりする決断ができないものになります。
作業中に「これは残そうかな・・・」などと迷っていると、どんどん時間が過ぎてしまいますので、10秒考えて結論がでないものはすべて「保留」箱にいれてしまいます。
迷うならその場で考えずに、売るものと捨てるものを処分してから、またゆっくり仕分けしていけばいいのです。
一見二度手間ですが、遺品整理でもっとも時間と労力がかかるのは、この「迷い」です。判断に時間をかけるほど疲労もたまりますので、リズムよくサクサクと進めていくことが大切です。
とにかくこの段階では、家の中で探していない場所がないようにどんどん進めていきます。
作業を進めると部屋が段ボールや袋で一杯になるので、広い家であれば、まず疲れたときに休憩できる部屋を確保してください。食事もとれるキッチンが最適です。ですのでキッチンにはものを置かずに最後に仕分けします。
遺品の二次整理
二次整理は同時並行で以下のことを行います。
「売る」箱
「売る・捨てる」箱のもので、売れるものを売っていきます。知り合いに引き取ってもらうこと以外の方法では、下記の順に高く売れます。しかし手間がかかる順でもあります。
1,オークションサイト、フリマアプリで売る。
2,フリーマーケットに持っていく。
3,それぞれ専門の買い取り業者に依頼する。
4,すべて一括で引き取ってくれる処理業者に依頼する。
一つひとつ出品できる方は、1のオークションサイトかフリマアプリを利用しましょう。基本的に好きな価格で売ることができます。売れなければ値段を下げます。ただ、相手も素人なので、宝石や貴金属など目利きが必要なものや高価すぎるものには向きません。
2のフリーマーケットは、場所取り申請や物品を運ぶ手間はかかりますが、一気にすべてを持って行けます。ですが、売れ残れば持って帰ることになるので、結局二束三文でたたき売ることになります。それでも売れないことも多いです。
3は最も簡単で、家まで引き取り査定に来てくれるうえに、そこそこの値段がつくのでオススメです。引き取り業者からみてある程度値打ちのある物品がそろっていれば、その他の価値のない品物も無料で引き取ってもらえることもあります。
目利きの必要な品物でも、それぞれ専門分野の業者に依頼できるので心配ありません。このサイトではここをメインに考えます。
4はゴミ処分と同じですので、価格がつかないばかりか逆に処分費用を請求されます。これは捨てるのに困ったときの最終手段です。
「捨てる」箱
「売る・捨てる」箱から、売れるものをのぞいたら、遺品整理を行っている住居の自治体に従って残ったゴミを処分します。
普通に出せるものは、ゴミ集積所にだしてしまってかまいません。大量にある場合や粗大ゴミは自治体に相談してみましょう。遺品整理として特別な対応をしてくれる自治体もあります。
また、自治体によりますが、ゴミ処分場へ直接持ち込みができるところもあります。車に積んで持っていけば、巨大なゴミ処理機の中にほうりこんでくれます。目の前で行うので、個人情報などがあっても安心です。
「保留」箱
保留箱から、親族に確認をして残すものを決めます。
また、残すか捨てるかの判断をしていきます。
その際よくあるケースとして、故人の配偶者がものを捨てたがらないということがあります。特に女性に多いのですが、夫の想い出の品だけでなく、包装紙や木箱・缶などなんでもとっておいてしまい、家がぜんぜん片付かないといった状況です。
配偶者を失うストレスは、人間が感じる痛みのなかで最も強いものですので、これは仕方のないことです。
この場合、家の中のものが多いと地震があったときに命にかかわると伝え、トランクルームの利用を薦めましょう。
すぐに使わないものはトランクルームに入れておき、半年から1年後に「トランクルームを借りている費用もかかるし、あのとき保留したものどうする?」とでも言って処分を促します。
このころにはなくても困らないものとして冷静に判断ができるようになっていますので、たいてい捨てることができると思います。
ちなみに高齢者の一人暮らしでは、地震のリスク以外にも、散らかったゴミに足を滑らせて転倒骨折、そこから認知症が進むケースが多くあります。発見が遅れて死亡する場合もあります。家のモノを極力減らして、部屋や通路を片付けておくことは、本当に命にかかわる大切なことなのです。
次は、遺品整理を始める前にそろえておく道具を説明します。